たけのこ


日頃のご愛顧ありがとうございます。

店主の高野です。

四月も半ばになり、仙台では桜も終わり、新緑の季節が訪れ、例年より一週間早いペースで春が進んでおります。

私の母も例年通り山菜を袋いっぱいに収穫し、ふきのとうはもはや名残の雰囲気、これからタラの芽、シドケなど東北ならではの近所の山からたくさん本物の天然の山菜がやって来ます。お客さんから聞いたところによると、宮城でもたけのこが取れているようです。この辺で獲るたけのこは種類も多く、それぞれの家庭でそれぞれの仕立ての惣菜になり、他人の家のたけのこを食べると、それぞれの郷土性や食べ方があって勉強になるだけじゃなく、家庭の味の美味しさをしみじみと感じます。

しかし今のところ我々が仕入れるたけのこは九州産で、八百屋でもだいぶ安くなって来ました。

たけのこについては料理界でも色々語られてはいますが、先月いっぱいで辞めた安田の元修行先ではたけのこのアク抜きは大根の汁でやってる事で有名で、「実際どうなんだ?ちゃんとアクは抜けるのか?」と聞いたら、「結構ビリビリ感は残りますね。自分でやるなら米糠で茹でますね」と師匠の教えを真っ向から否定した事を思い出します。おそらくたけのこのえぐみは茹でる事で抜けるのでしょうが、たけのこの香り、風味も抜けるのを米ぬかの風味で補うのが実際なのではないでしょうか。それでもたけのこのトウモロコシのような甘い香りは、料理として提供する時には活かしたいところで、鮮度が大切と言われるのはそこなのでしょう。

よく京都の朝どりのたけのこはまだえぐみも出ておらず刺身で食べれると聞きますが、私は食べたことがありません。どんな感じなのかいつか食べてみたいです。

東北ではゴールデンウイークが終わっても、姫竹や月山竹などと呼ばれる細いたけのこが出て来ますが、出来るなら風味の飛んじゃった水煮じゃない姫竹をふんだんに使っていきたいですね。

春の和食は、魚BAR一歩と言えども山の幸に頼りながら季節感を出さざる得ない季節なのだと思います。