破壊

日頃のご愛顧ありがとうございます。

店主の高野です。

先日私はタスクのお母さんの器を割ってしまいました。

タスクとは、うちの弟の同級生で、かつてうちでバイトもしていた男で、数年前に亡くなったお母さんの食器コレクションを頂いたのです。

棚の一番上にある皿を取ろうとした時に、食器が危ない重なり方してて、慎重に取ろうとしてたのですが、案の定、崩してしまいました。落ちた器は割れなかったのですが直撃したタスクのお母さんの器が壊れました。

面白いもので割った瞬間、ちくしょー、誰だよこんな皿の重ね方したのは?!と人のせいにしたのですが、俺って小せえと反省し、落とした俺が一番間抜けだと言い聞かせたのですが、虚しい気持ちで掃き掃除をしながら、タスクのお母さんの食器の破片が出て来ると、ちくしょー誰だよこんな重ね方をしたのは?と再びふつふつと湧いて来る責任転嫁を抑えることができませんでした。

ちくしょー、箸置きを生ゴミと一緒に捨て、乾いたなめろうは皿にこびりついたままで、木の器を食洗機で洗ってヒビ割らせ、食洗機の底にはスプーンやら箸が落ちたまま放置される仕事の上に、この皿の重ね方かよ?と、どうしようもないくらいに責任のなすりつけの気持ちが出て、なんて俺はだせえんだと思いましたが、やはり最終的には「タスクごめんよ、タスクのお母さんごめんない、この食器はもう少し永く食卓を彩り、喜びを与えることができたのではないか。私が引き取ったためにこの食器の寿命はこの程度になってしまいました」と自分自身にがっくりしてしまいました。

タスクのお母さんは、素敵な食器を揃えていただけではなく、家の立派なモミジや、部屋一つ分の機織り機を持つなど、美しいものに対する感性が高いお母さんだったと思います。

一方で、タスクは女もいなければ髪もなく、ろくに親孝行もできなかった奴でしたが、奴が我々にくれたお母さんの食器コレクションの残された皿を、今後も出来るだけ末永く使えるよう、大切に扱ってタスクのお母さんに喜んでもらいたいなと思っております。