我々の魚屋 その三


我々の魚屋とは直接関連する話ではないですが、最初の店を出した頃、魚屋さんの小松さんは地元の仲間を連れてよく店に来てくれました。その仲間の一人に当時駆け出しのイラストレーター信濃八太郎君がいました。彼と小松さんは小学からの同級生で、高校時代はバンドもやっていたらしく、八太郎君がベース、小松さんはギターをやってThe Whoのピートタウンゼントみたいに右手をグルングルン回していたそうです。

八太郎君と魚BAR一歩を切り離せないのが(こちらが一方的に切り離していないつもりでいる)、我々の3店舗全てに八太郎君の絵が飾られているのです。我々の信濃八太郎コレクションを紹介すると、①恵比寿の階段に飾られている、彼の初めての個展で安く買ったアートリンゼイという難解な音楽をするアーチストの絵、②麻布十番の壁にビートルズのアビーロードに入ってる曲「Mean Mr.mustard」と「Polythene Pam」の名前を取った2枚の対になってる絵で、彼の話によるとこの二人はストリートチルドレンの兄弟で、それぞれが道端の人々を眺めている絵で、そこに描かれてる人々は音楽を中心に八太郎君の好きなアーチストがごちゃごちゃに描かれてます。この頃には彼の絵も高くなりました。③そして、仙台の絵は何年か前の彼のグレープ展でみ見た、ジャズサックス吹きのレスターヤングの絵で、絵の名前を訳せば「ミスターポークパイハット(レスターヤングのこと)がポークパイを持っている」というイカした絵で、3店目を出す際にはこの絵を買うから取っといてと言っていたら、オープンから一年後にわざわざ仙台に持って来てくれて、ただでくれました。

今や、彼も売れっ子イラストレーターになり軽々しく店に絵を飾らせてくれと言えるような人ではなくなりましたが、次に私が目論んでるのは、次の店の壁は彼に壁画を描いてもらうことです。

テーマを我々の魚屋に戻せば、小松さんと我々魚BAR一歩の関係は広く深くつながっております。小松さん、これからもいい魚をしっかり頼みます!